寝る時の足の冷えが気になってなかなか寝付けないと悩んでいる冷え性の方は多いのではないでしょうか。かと言ってこれでもかとあったかグッズを駆使すると、逆に暑くなりすぎて熟睡できない・・・なんてことに。今回は笹田けいこさんが実践している「最適解」をご紹介します。欠かせないアイテムと使用するベストなタイミングについて教えてもらいました。
足の冷えで寝付けないのは辛いですね。今回は冷え性体質の「笹田けいこ」さんに解消法を教えてもらいましょう。
#01 寝る時の足の冷えを解消するには?
寒さで寝られない時って、つらいですよね。
布団に入っても、寒さでなかなか寝付けないときって、足の冷えが原因ということが一番多いのではないでしょうか?
寒くても、布団にくるまればなんとかなるんじゃないかと思って寝床に入るのですが、ふくらはぎや足先の冷えは布団に入っただけでは温かくならず、寝付けない時間が続きます。
そんな私が、昨シーズン、様々な暖かグッズを取り入れた結果、寒い部屋で寝ていても、すぐに寝付くことができ、朝までぐっすり寝られるようになったのです。
「寒くて寝られない」という悩みは、私の場合、正確には「足が冷えて寝付けない」だったのです。いろいろ試してみた結果、眠る前に足を温め、寝床に入った時も足が「とても温かい」と感じる状態にすることが大切だと分かりました。一晩中マックスの暖かさである必要はなく、眠りにつくときの温かさがマックスであることが重要だと感じました。
冷え性の方すべてに効くかどうかはわかりませんが、私の経験をお伝えしますね。
●寝る前に足を温める大切さとは
寝るときの足の冷え対策は、布団に入る前から始めるのが成功の秘訣です。
以前は、寝る前に寝室全体をエアコンで温め、床に就くときにエアコンを切っていました。けれども、足の冷えのためなかなか寝付けませんでした。
昨年の冬はエアコンのない部屋で寝なければならず、あれこれ試行錯誤した結果、寝る前に部屋全体を温めなくても、足を温めてから寝ると、部屋全体を温める以上の効果があると実感できました。
お風呂で温める、カイロで温める、電気やぐらこたつで温めるなどの方法もお勧めですが、私は「足元パネルヒーター」を使いました。足裏だけではなく、足の周りを筒状に覆って温めてくれる優れものです。デスク仕事の足元を温めるために購入した「足元パネルヒーター」ですが、足先や足裏からふくらはぎまでの冷えを感じなくて済むので、寝る前に、ヒーターの中に足を入れて温まりました。
さらに、たまたまなのですが、昨年の冬はメタボ検診で引っかかって、毎日10分間運動しなければなりませんでした。私は嫌なことは後回しにするたちなので、寝る前に、仕方なくスクワット30回と、その他ゆるい筋トレやストレッチを合計10分間行いました。すると、汗ばむほどではないのですが、足だけでなく身体全体が少し温まったのです。
寝る前に足を温めておくと、寝床に入った時に「足が冷えて寝付けない」と感じずに済みます。「足元パネルヒーター」と、緩い運動の効果は大変大きかったと思います。
実は、面倒くさがり屋の私は、10分間の運動をさぼったこともあります。「今日は遅くなったから運動しないで寝よう」、とか、「今日は昼間たくさん歩いたからノルマ達成。夜の運動はしなくて大丈夫。」などと、そのまま寝たこともあります。そういう日は、身体全体の温まり方が足りず、すぐには寝付けません。「さぼらずに運動すればよかったな・・・。」と寝床で後悔していました。足を温めるのに特化した運動ではなかったのですが、軽い運動によって、足を含めた全身が温まったようです。
足が温まった状態で床に就くことで、布団の中の冷え対策がすぐ効きます。ところが、冷たい足で床に就くと、まず寒さの方を強く感じ、そこから暖かいと感じる状態になるまで時間がかかるのです。
●役立ったあったかグッズ
そのように寝る前に足や身体全体を温めても、寝床の中が寒ければ一気に温かさは失われていきます。寝る前だけでなく、寝るときの冷え対策も重要です。寝るときに役に立ったあったかグッズをご紹介します。
(1)レッグウォーマー
レッグウォーマーは以前から手放せないあったかグッズです。足首からふくらはぎの冷え対策として、寝るときだけでなく、昼間も使用しています。寝るときはとくに緩くなった古いものを使用しています。締め付け感が苦手なので、伸びきっているくらいのほうがちょうどいいです。
足首を温めることは、冷えに効くといわれています。また、足裏や足の甲が冷える時は、レッグウォーマーを伸ばして足の方まで覆うこともあります。
(2)フリースの掛布団カバー
足の冷え対策として、掛布団カバーはあまり関係なさそうに思う方もいるでしょう。ところが、フリースの掛布団カバーは、足の冷え対策として、いい仕事をしてくれます。
寒い部屋で寝ていたので、掛け布団と敷布団の隙間から冷気が入ってきて、寒さのためになかなか寝付けないという日々を過ごしていました。
そこで、羽毛掛け布団と毛布の順番を変えてみることにしました。これまでは体に近い部分に毛布、その上から羽毛布団をかけていたのですが、羽毛布団の上から毛布を掛けたほうが温かいという話をよく聞きます。とはいえ、普通の木綿の掛布団カバーが直接身体に接するのは絶対に寒いと思い、暖かいフリースの掛布団カバーを購入しました。
順序を変えたことが良かったかどうかはあまりわかりませんが、フリースの掛布団カバーに変えたことは大正解でした。柔らかなフリース生地が身体に沿うので、毛布の時よりも隙間ができにくくなったのです。そして、布団に入った瞬間に、暖かさを感じることができました。
直接足を温めるあったかグッズではありませんが、隙間から冷気が入ってくる問題は解決できました。
また、湯たんぽや電気毛布のように発熱はしませんが、布団に足を入れた時にまず感じる起毛素材の肌触りの暖かさと、フリースの保温効果で、気持ちよく眠ることができました。
フリースの掛布団カバーは電化製品と違って故障のリスクもなく、求めやすい価格なので、寝るときの冷え対策グッズとしては、コストパフォーマンスが高いといえます。
(3)湯たんぽ
寝るときの足の冷え対策として、最も効果的なあったかグッズは直接足を温める湯たんぽです。
湯たんぽと同じような役割をする電気あんかでもよいと思いますが、私が毎日使用したのは「蓄熱式湯たんぽ」という商品です。寝る前に25分間くらいコンセントにつないで湯たんぽ本体を温めます。温まったらコンセントから外し、袋に入れて、布団の中の足元の位置に置きます。
「蓄熱式湯たんぽ」の良い所は、お湯の入れ替えをしなくてすむ点です。電気代は多少かかりますが、面倒な作業から解放されるので、とても便利です。
また、本体は、PVC(ポリ塩化ビニル)でできた袋の中に液体が入っているのですが、柔らかい材質なので、足を乗せた時や、足の上にこの湯たんぽを載せた時に、身体の凹凸に沿ってくれます。だから、硬いあんかや普通の湯たんぽよりも、暖かさを実感できました。
布団に入った時、湯たんぽに足を載せたり、湯たんぽの下に足を入れて足の甲を温めたりすることで、足が温まり、すぐに眠れるようになりました。
(4)電気毛布
能登の地震後、冬の車中泊に備えて電気毛布を購入しました。防災用にしまっておくのはもったいないので、日常使いすることにしましたが、電気毛布も「家で寝るときの冷え対策」にはとても効果がありました。
寝る30分前にスイッチを入れて温め、寝るときに1時間で切れるようにタイマーを設定しました。初めは低温で一晩中つけて使用したのですが、のどの渇きがひどかったです。そこで、高温で1時間にしてみましたが、寝床に入った瞬間とても暖かく、寒さを感じずに寝付くことができ、朝まで目覚めなかったので、1時間で切れても問題はありませんでした。
足を直接温める湯たんぽの方が優先順位が高いと思いますが、足が冷えて寝られないという方には、電気毛布の使用もお勧めします。掛毛布と敷毛布がありますが、敷毛布のほうが効果が高いです。
湯たんぽは足の裏や足の甲など足の一部分しか温められませんが、電気毛布は足首、ふくらはぎも同時に温めてくれます。また、運動で全身を温めたことですぐに寝つけたように、足の冷えが気になる場合も、足だけでなく全身を温めたほうがすぐに寝付けるのではないかと思います。
ただ、電気毛布は、あんかや湯たんぽなどの発熱するものと一緒に使用してはいけません。電気毛布の中に入っている電線が温められることで、故障や事故を引き起こす可能性があるからです。ですから、電気毛布の電線がない部分に湯たんぽを置くようにしています。
●寝付くまでの温かさが大切
電気毛布は1時間で切れるので、一晩中発熱しているわけではありません。湯たんぽも、寝ている最中に蹴飛ばしてしまうらしく、目が覚めた時には布団からはみ出ていることが多いです。発熱するあったかグッズの温かさがなくても、一晩中フリースの温かさにつつまれることで、寒さで目覚めることなく、暖かく眠り続けることができました。
では、電気毛布や湯たんぽがなくても、フリースの掛布団カバーさえあれば、冷えを感じずに済むのかというと、それは違います。寝床に入った瞬間に、電気毛布と湯たんぽが「とても暖かい!」と思わせてくれるからこそ、冷えを感じることなく眠りにつくことができるのです。寝付くまでの温かさをマックスにし、そのあとはじんわりと温かさを保つことで、冷え性の私でも、快適な睡眠を得ることができました。
もちろん、誰でも同じ効果があるわけではないと思いますが、冷え性で寝つけないという方には、寝る前に足を温めること、寝付くまでの温かさをマックスにすることを試してみてはいかがでしょうか。
寝る前から足を温めておくのも重要なんですね。
そうですね。そこからあったかグッズの力を借りて寝付くまでの寝床の温かさをマックスにしておくのが良さそうですね。笹田さん、どうもありがとうございました。
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